Bayreuth バイロイト音楽祭4:バイロイト祝祭劇場でオペラを観

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(2013年8月 ドイツ・バイロイトにて)


 8月24日、夢だったバイロイト祝祭劇場でワーグナーのオペラを観る日!演目は「さまよえるオランダ人」です。このオペラの何と言っても好きなところは3幕の冒頭の「水夫の合唱」。この合唱の曲はいつでも頭の中でぐるぐる回っていることが多いのです。時に元気を出したい時に、この曲は元気を与えてくれる!なのです。(歌詞を見ても、「一緒に飲もう!イエ~!」だもの、元気が出ないはずがない!)

 ワーグナーのオペラはいろいろありどれも好きですが、この演目がバイロイトで観られることは本当に喜ばしい限り!!ますます頭の中は「水夫の合唱」がグルグルです!

 「さまよえるオランダ人」に期待が膨らみます!

 8月24日は午前中にバイロイトの市内観光(祝祭劇場の下見)、ランチをいただいて、ホテルに戻り、オペラ鑑賞用に衣装の着替え!!

 バイロイトに2度参加したことがあるワグネリアンの“ロンドンの母”から、バイロイトでの服装は正装で!と何度も聞かされていましたので、ロングのスカートで華やかな雰囲気になるように服を用意しました。


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バイロイトのチケットを手にして、「本当にオペラを観に行くんだ!」と手が震える~


 チケットを手にして、宿泊のホテル「カイセラム」が用意したバスでバイロイト祝祭劇場に向かいます。ホテルには私たちのツアー7名だけでなく、ドイツ人がほとんどでしたが、ホテルがチャーターした“路線バス”が満席になる人数を乗せて、真っ直ぐにバイロイトへ。

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路線バスをチャーター?


 ホテルからのプレゼントである「折り畳み式クッション」もしっかり持参です!

 他の方も皆、正装!さすがにドイツも温暖化で暑くなっているせいか、男性のタキシードに蝶ネクタイは少なくなってきているようです。女性はロングのドレスが多く、いかにも正装していく正式なオペラ!! さすがバイロイト!!って感じで雰囲気が盛り上がります!


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 ヨーロッパの夏は日が長く、劇場到着が17時過ぎでもまだまだ明るく(オペラは18時開演です)、写真を撮ったり、バーでシャンパンやワインを飲んだり、ショップでお土産を買ったり、と思い思いに過ごします。休憩なしの1幕なので、お土産を買うなら「今!」です。

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 私としては、郵便局がオープンしているので、ここでワーグナーの記念印を押してもらわないと!!と郵便局へ!!

 午前中に行った時とは全く違って、オペラを観に来た人でごった返していて、着ている方のファッションを見ているもの楽しい過ごし方!です。

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 やはり“暑さ”もありますし、ワグネリアンの祭典としてワーグナーのオペラを観たい人が押し寄せているというより、スポンサーの社交場としての“招待客”が多いのか?、また時代なのか、服装もカジュアル化してきている感じがします。(話によると、この10年位でかなりカジュアルになってきているとのこと)

 1980年代、90年代にバイロイトでオペラを観たロンドンの母の話では、女性はほとんどロングのドレスとのことでしたが、今年、2013年は正式なロングのドレスは50~60%位でしょうか。。。

 ユニークだったのは、私はホテルからのプレゼントの折り畳み式クッションを持参しましたが(折畳なので小さくなっている)、さすがドイツ人!身体が大きいからか?大きなクッション持参の人も結構いました!

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男性が女性のクッションも持っています!


 正装でクッションを抱えている姿は、何ともユニーク!!


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ベルトにクッションを挟んでいる??



 そういうこするうち、バルコニーから開始のベル代わりのファンファーレが鳴り、いよいよ劇場の中へ!!気持ちは高まります!!


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 続々観客が劇場に吸い込まれていく!


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スコットランドの正装のキルト姿の男性も



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劇場内のロビー


 指揮:C.ティーレマン、演出:J.P.グローガー、出演:(オランダ人)S.ユン、(ダーランド)F.J.ゼーリヒ、(ゼンダ)R.メルベート

 バイロイトの演出は、斬新で難解と言われますが、今回のプロダクションでは「斬新だけどわかりやすい」という評を出発前に目にしました。何か斬新で、わかりやすいとは??ということも興味津々で劇場の真ん中辺りの席に着席。

 ワーグナーが自分のオペラを専門に上演するために本人がデザインした劇場の内部は、プロセニアム・アーチがあるデザインで、ごちゃごちゃした装飾はなく、ギリシャの円形劇場風の客席は来て出来ています。(音響を考えて「木」を使っているとか。)クッションはないので、ホテルが「クッション」をプレゼントしてくれた意味がよ~くわかりました!

 ステージに垂直な通路はないので、観客は右か左のドアから蟹のように入って行きます。どの観客もワーグナー生誕200年のお祭りを楽しむような朗らかな表情、話声が聞こえてきます。

 自分がこのバイロイト祝祭劇場にすわっているというだけで、(やっとここに来た!)万感の思いが込み上げてきます。

 幕が上がり、2時間10分のさまよえるオランダ人の始まりです。 

 
 私はオペラ評論家でもなく、音楽の専門家でもなく、ワグネリアンでもなく、単なる素人のオペラ好きです。素人が何を言わんかではありますが、バイロイトのワーグナーのオペラはこういうものというのを少しでも感じ取れた気がしました。

 「こういうもの」というのは、アーティストとしての演出家の新しいことへの果敢な挑戦をする場であり、そのアーティストのクリエイティブさは宿命だと思いますが、新しいことの評価を受ける場であるといことでしょうか。

 演出家クローガー氏の新しい解釈による「さまよえるオランダ人」は、舞台を1840年代から現代に変え、舞台美術は宮島達男氏の作品のようにモノクロの都会的な風景にデジタル数字がチカチカしている中に、背広を着たダーラントが出て来て…と最初は違和感がありました。

 斬新にダーラントの家の少女たちの糸紡ぎが扇風機工場の女工だったりと、現代に置き換えても、「ゼンダの自己犠牲」や「お金に目がくらんだダーラントと純愛に生きるゼンダの対比」がわかりやすく演出されていて、最後のオチまで見事!(思わず笑ってしまった)で一気に見入ってしまう!でした。(金儲け主義への批判とも感じました。)

 終演後、総観客は足を踏み鳴らしての絶賛の嵐!ブーイングは全くなしというくらい聞こえず。
カーテンコールも続き… 最後にはステージにオーケストラのメンバーも上がって来ました。笑ってしまたのは、オーケストラのメンバーの衣装が(オーケストラピットがものすごく暑いのでしょう!)Tシャツ&短パンや穴あきジーンズだったこと!こんなオーケストラ、見たことない!!


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 観客は皆、高揚して、興奮状態で劇場を後にしました。外はまだ薄明るく… ホテルがアレンジしたバスでホテルに戻りました。


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皆、満足? お疲れ??

 
 ホテルのレストランで、ビールで乾杯しながらツアーのメンバーの方達とバイロイトで観た「さまよえるオランダ人」についてそれぞれの思いを語り(賛否両論あり??)、楽しいひと時を過ごしたのでした!

 良いでも、悪いでも、好きでも、嫌いでも、ともかく私にとってはバイロイトの祝祭劇場でワーグナーのオペラを観たということが楽しいことであり、スゴイことなのです!

 できれば、ワーグナーの書いた台本に忠実な演出で見たい!という希望はありますが、新しい解釈の演出がバイロイトなので、そのバイロイトの斬新なワーグナーを観ることが出来、満足なのです!


 今でも頭の中では水夫の合唱がグルグルです♪
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by airmail-trvler | 2013-09-01 00:30 | B